WEC会議とは

世界工学会議

WFEO(世界工学団体連盟)とWECC(世界工学会議)

 1929年、日本で世界42カ国1300名を含む4,500名参加の万国工業会議が国を挙げて開催されました。これを契機に世界で技術者が一堂に会する会議が模索され、そして、ついに1968年に世界工学団体連盟(WFEO:World Federation of Engineering)が設立されました。WFEOは工学の全分野を網羅する工学団体唯一の国際組織で、90カ国と11の国際機関(UNESCO、アジア・太平洋、全米、欧州などの地域工学団体連盟など)で構成されています。
 WFEOの活動のひとつに、4年ごとに開催される世界工学会議(WEC)があります。毎回3,000人から5,000人の技術者が一堂に会し、最新の技術と、その課題などについて活発に意見交換を行いながら、社会への貢献と技術者の交流を図っています。

過去の会議

 世界工学会議は2000年のドイツ・ハノーバーに始まり、中国・上海、ブラジル・ブラジリア、スイス・ジュネーブと4回の会議を重ねてきています。

1

20006

1921

ドイツ 

ハノーバー市

3500

Human kind, nature and development

2

200411

26

中国 

上海市

3000

Engineers Shape the Sustainable Future

3

200812

26

ブラジル 

ブラジリア市

5000

Engineering: Innovation with Social Responsibility

4

20119

57

スイス 

ジユネーブ市

1800

 

Engineers Power the World-Facing the Global Energy Challenge-

 また、世界工学会議の契機となった第1回の会議は日本工学会のもと日本で開催されている。
 日本工学会は、創立当初は「工学会」と称し、明治12年(1879)11月18日旧工部大学校の土木、電気、機械、造家、化学、鉱山、冶金の7学科第1期卒業生23名が相互の親睦、知識の交換を目的とて創立された機関である。
 その後、工学の発展ともに各専門が成長して会員が増加するにつれ、会員の間に専門分野別独立団体創設の気運が高まり、大正11年、従来の個人会員組織を改めて、専門学会を会員とする団体会員組織とした。当時の会員は次の12学会で、各学会間の連絡を図り、その共通事項を処理し、わが国工業および工芸の振興に協力することを記した。(日本鉱業会、造家学会、電気学会、機械学会、造船学会 、土木学会、鉄鋼協会、照明学会、電信電話学会、工業化学会、火兵学会、暖房冷蔵協会)
 昭和4年秋を期して、東京で万国工業会議を開催し、世界各国の工学者をわが国に招待し、わが国工業界の現状を紹介し、進んでわが国工業品の世界的発展に資した。これが世界工学団体発足のきっかけになった。

「万国工業会議(1929年)」 

Bankoku.jpg 

1925(大正14)年3月,米国機械学会からの要請を受け,古市公威を会長とする工学会は
万国工業会議開催を受諾した。約4 年の準備期間を経て,1929 年10 月29 日,東京日比谷公会堂にて開会式を挙行した。名誉総裁秩父宮殿下、名誉委員長濱口雄幸総理、実行委員長古市公威工学会会長であった。
参加者総数は4,495 名,海外からは42 カ国1,285 名,とりわけ米国からは同伴者を含め300 名余が来日している。提出論文は海外21カ国から442 篇,日本371 篇,12 分科会に分れて発表された。

区分

参加者概要

総参加者数

4,495

海外からの参加国数

42カ国

海外からの参加者数

1,285名(米国が同伴者含み約300名)

国内参加者数

3,210

海外からの投稿論文数

21各国442

国内論文数

371

分科会数

12

この会議への日本政府からの支援は、当時の時事新報 (1926.10.17(大正15))によれば、以下のとおりである。

見出:万国工業会議に政府半額の補助
・926年10月15日午後6時、若槻首相は永田町首相官邸に同会議関係者を招待して懇談会。
・政府側からは若槻首相以下陪賓として藤沢商工相、弊原外相、塚本翰長書記官長、四条商工、出淵外務、松浦文部の各次官。
・民間側からは古市公威男爵、白仁武、湯川寛吉、木 村久寿弥太、結城豊太郎、森村開作男爵、浜岡光哲、昆田文次郎、斯波忠三郎男爵、曾禰達蔵、大橋新太郎、藤田平太郎男爵、嶋徳蔵氏等。
工学会(古市男爵を会長とせる)外12の学会が米国工業界の重鎮にして同国機械学会の終身会員たるエルマー、スベリー 博士の示唆に基づき我国実業家の賛同を得て之を実行。経費は少なくとも参拾万円。政府は三十万円の半額十五万円以内に於いて補助金を支出して以て此計画の実現を助成。