独立行政法人 物質・材料研究機構
岸 輝雄
平成19年度定時総会(4月25日開催)で前佐々木会長から会長職を引き継がせていただくことになりました。日本工学会は明治12年旧工部大学の卒業生が「相互の親睦・知識の交換による我が国工業の発展への貢献」を目的に創立したもので、以来1 世紀とさらに四半世紀にわたり、我が国工学会の発展に貢献してきたことは皆様の良く知るところであります。
現代においては、科学をとりまく課題は、CO2による温暖化の問題、さらにIT 社会の急激な発展、さらに倫理問題にまでからむ生体工学など多岐多用に渡り、かつ地球規模の問題となっています。特に、ここ数年の変化として環境・エネルギー・資源の重要性が増してきております。このような人類共通の願いである「持続可能な社会の実現」に向けて、工学も大きなフレームワークの変更が必要になってきております。日本が工業社会から真の知識社会へ移行するためには自然科学のみならず、人文・社会科学まで含めた幅の広い領域から異分野、異文化、異民族、男女、老成中若の見識者を集めたMelting Pot を形成し、知を融合・統合すると共に、新しい知を先導する必要があります。ますます、流動性、国際性が重要となります。
日本の学協会に一番求められているのは、このような時代に相応しい科学者の文化を形成することであり、日本工学会は、設立時の主旨「相互の親睦・知識の交換」の原点に立ち返り、日本の工学系学協会のルーツとして学協会の強化を先導して推進していく必要があると考えております。
日本工学会は前々大橋会長の多大のご尽力により事務混乱の解明と再建に向けて平成15年度新体制から再建に向けて出発することができました。また、前佐々木会長の健全運営のためのご努力により本来の目的に邁進できる体制が整いました。ご苦労いただいた関係の方々に深く感謝申し上げるしだいです。日本工学会の会員学協会には我が国を代表する豊富な知識と人材の蓄積があり、学協会の運営経験豊かな人材も多数揃っております。日本工学会が本来の役割を果たし、今後の科学技術の更なる発展に貢献できるように、会長として微力ではありますが尽力して参りたいと思いますので、会員皆様のなお一層のご理解とご協力をお願いするしだいです。
Copyright (C) The Japan Federation of Engineering Societies, All Rights Reserved.